8月31日に平成30年度経済産業政策の重点・概算要求が発表されました。

その内容によると、平成30年度中小企業・小規模事業者政策の重点項目として以下の3点が掲げられています。
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1、事業承継・再編・統合による新陳代謝の促進
2、中小企業・小規模事業者におけるIT活用の拡大
3、人材不足への対応
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平成30年度概算要求では、これらの重点項目とその他の中小企業・小規模事業者政策(従来取り組んできた支援政策。創業、海外展開、商店街支援、小規模事業者支援、下受け取引適正化、災害復旧など)ごとに予算配分が行われています。
事業者様にとっては、次年度の補助金・助成金はどのようになっているのか、ということが気になるところだと思いますが、今回の概算要求において直接的に事業者様に関連しそうな内容としては、以下が挙げられます。

1、事業承継・再編・統合促進補助⾦
今年度の「事業承継補助金」が、名前を変えて予算計上されています。具体的には、中⼩企業の成⻑につながる下記の取組について、設備投資や既存事業の廃業、新事業の展開、再編・統合後の投資等に必要な経費を⽀援する補助金として以下の3パターンを想定。
 a, ベンチャー型事業承継等の経営⾰新タイプ(補助率2/3) → 事業承継に伴う経営⾰新等の取組を⽀援。
 b, 「事業再編・統合」 タイプ(補助率2/3) → 地域・業種における再編・統合等に伴う設備投資等の取組を⽀援。
 c, 世代交代準備タイプ(補助率2/3) → 将来の事業承継を⾒据え後継者を中⼼として取り組む経営⾰新等を⽀援。
それぞれの、補助上限(事業転換を伴う場合)は、a:200万円(500万円) b:1000万円(2000万円) c:50万円

2、非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予制度の見直し
 → 事業承継税制の見直しを行い、都道府県知事の認定を受けた時は、相続税・贈与税の納税が猶予される措置について、更なる促進策が講じられます。

3、中小企業・小規模事業者の事業再編等に係る系負担の軽減措置の創設
 → 中小企業・小規模事業者のM&A(親族外承継)への税制措置の創設されます。
4、中小企業・小規模事業者海外展開戦略支援事業
 → 海外ビジネス戦略推進支援事業などの海外展開に係る補助金は次年度も実施される見通しです。

5、ふるさと名物応援事業
 → ふるさと名物応援事業補助金は継続です。

6、地域創業活性化支援事業
 → 存在的創業者の掘り起こしから創業前の支援、創業後の成長の後押しまで実施するために10億円を計上。ただし、この中に創業補助金が含まれるかは現時点では未定です。創業補助金は、平成28年12月に発表された「平成29年度以降に向けた創業・起業支援について」の中で、「(平成29年実施分の)5年を目処に制度の抜本的見直しも含め、在り方を検討する。」と述べられており、来期はないかもしれないですね。
→ と書いていたのですが、もう少し詳細な資料を読み込んでいたら「地域創造的起業補助⾦」が明記されていました。ということで、「創業補助金」は現時点では平成30年4月以降に実施予定と言えます。(9/5追記)
<以下引用>
⺠間⾦融機関等からの外部資⾦の活⽤が⾒込まれ、経営安定化のために継続して第三者からの⽀援が期待できる事業に対して重点的に⽀援を⾏います。 (補助上限200万円※外部資⾦調達の確約がない場合100万円、補助率1/2)

7、⼩規模事業者持続化補助⾦
平成30年度概算要求に小規模事業者持続化補助金は計上されていました。ということで、小規模事業者持続化補助金は継続予定です。
補正予算でも計上されれば、もう少し予算額はアップされるかも知れません。

さて、事業者様の中には、上記に出てきていない「ものづくり補助金」「IT導入補助金」などは実施されるのか、、、という点が気になる!という方がいるかもしれません。
これらの補助金は、平成30年度当初予算(今回の概算要求分)ではなく、平成29年度補正予算にて実施されると見込まれるため、今回の概算要求には含まれていません。ですので、現時点ではこれまで実施してきた各種補助金が実施されるかは分からないということになります。
ちなみに、昨年は平成29年度概算要求がでる前に平成28年度補正予算が閣議決定されていたので、情報としては分かりやすかったのですが、、、。

では、平成29年度補正予算は、、、というと、これは今後徐々に情報が明らかになってきます。
一部報道によれば、「政府・与党は9月25日に召集予定の臨時国会にて、平成29年度補正予算案の臨時国会への提出を検討することを確認した。」とのことです。
ですので、補正予算の編成は実施されそうですね。
ただし、この秋の臨時国会中には、10月22日に「トリプル補選」、と同時に解散総選挙が実施される?など、政府・与党にとって政治的な動きが色々とありそうで、どのように進んで行くのか予想が難しいところです。が、例年で行くと、補正予算は12月頃に閣議決定、1月の通常国会で可決・成立という流れで進んで行くので、各補助金が動き出すのは早くても平成30年2月頃になる見通しです。
ひとまず、情報は徐々に明らかになってくると思いますので、最新情報が入りましたら、本ブログ上で紹介していきたいと思います。

P.S
平成30年度の中小企業・小規模事業者政策の重点項目を見ると、「IT補助金」「事業承継補助金」はほぼ確実に実施されそうですね。
「事業承継補助金」については、先に発表された「事業承継5カ年計画」の中で実施が明記されていたので確実でしょう。
あとは、「ものづくり補助金」と「小規模事業者持続化補助金」は、、、、まだなんとも言えないというのが正直なところです。

平成30年度概算要求_経済産業省_サマリー

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平阪 靖規

(株)コムラッドファームジャパン 代表取締役、中小企業診断士、平阪中小企業診断士事務所代表、NPO法人YTD創業支援センター代表、「中小企業診断士の輪」管理人、TAC中小企業診断士講座講師。 1980年2月生まれ。2012年4月に診断士登録、2013年4月独立。2014年10月法人設立。 ITエンジニアとして約10年サラリーマンを経験し、その後独立。現在は中小企業診断士として、公的機関でのコーディネート業務や中小企業支援に従事。新規事業立上・Webマーケティングが専門。 趣味は登山と新聞切り抜き。